【初心者向け】刑事事件と民事事件はどこが違うの?目的や内容などの違いを分かりやすく解説

法律をテーマにしたドラマといえば、皆さんは何を思い浮かべますか。

平均視聴率が30%を超えていた『HERO』。
コメディ寄りな法廷ドラマの『リーガルハイ』。
型破りな裁判官が主人公の『イチケイのカラス』。

挙げた作品以外でも法律をテーマにしたドラマを見ている時、刑事事件民事事件などの言葉を聞いた覚えはありませんか。聞いた覚えがあったとしても、「大した意味はないだろう」と気にしない人がいるのかもしれません。

刑事事件と民事事件の使い分けはちゃんと意味があり、違いもあります。
こちらでは、それぞれの違いを分かりやすく解説します。

■この記事で学べる内容
・刑事事件と民事事件の意味や違いが分かる
・刑事事件や民事事件の事例が分かる
・刑事裁判と民事裁判は同時に行える

■目次
●刑事事件と民事事件の違い
-内容の違い
-和解の有無
-手続きや裁判の違い
●刑事事件と民事事件の裁判は同時に行える
●まとめ

刑事事件と民事事件の違い

違い

まずは刑事事件と民事事件の意味を解説します。
刑事事件は犯罪行為の疑いがある個人や会社を国(検察官)が訴え、処罰を与えるかどうかを裁判所が判断する事件です。

民事事件は個人や会社間で発生した財産に関する揉め事です。
揉めている当事者のいずれかが訴えを起こすと、訴えを起こした本人の主張を通して良いのか裁判所が判断します。

それぞれの違いは、主に下記の通りです。

  刑事事件 民事事件
内容 国による個人や会社の処罰 個人や会社間の権利保護や被害の回復
当事者 国の代わりとなる検察官と個人や会社 個人や会社間
当事者の呼ばれ方

・訴える人が検察官
・訴えられる人が『被告人』

・訴える人が『原告』
・訴えられる人が『被告』

適用される法律 刑法・覚せい剤取締法・大麻取締法・銃刀法など 民法・商法・会社法・労働法などの私法
和解の有無 基本的に無し 裁判前や途中でも和解による解決は可能
手続きや裁判

・検察官が有罪確実と判断する事案しか訴えない
・訴えられたら99%が有罪になる
・有罪になると刑罰が与えられる

・誰でも自由に訴えられる
・法的な根拠や事実の証明ができなければ請求が却下される
・根拠や事実の証明ができた場合は強制執行が可能

『内容』や『和解の有無』、『手続きや裁判』については表内の情報だけでは足りないため、補足で解説します。

内容の違い

犯罪行為の疑いがある個人や会社を国(検察官)が刑事事件として訴えると、刑事裁判が行われます。
刑事裁判の目的は裁判所で事件の真実を確認し、犯罪行為の疑いがある個人や会社にどのような刑罰を課すべきかを判断することです。

民事事件の当事者いずれかが訴えると、民事裁判が行われます。
民事裁判の目的は裁判所が揉め事の仲裁に入り、訴えを起こした本人の主張を通して良いのかを判断することです。

それぞれの意味を理解していると、別物の事件であることが分かるのではないでしょうか。
刑事事件と民事事件それぞれに該当する事例は、下記の通りです。

●刑事事件として扱われる事例
・他人の体に怪我を負わせてしまった
・誰かの物を意図的に破壊した
・誰かの所持品を盗んだ
・持ち主を騙して財産を奪った
●民事事件として扱われる事例
・お金を払ったのに不良品が届いた
・怪我が原因で発生した治療費や精神的苦痛
・物を破壊された場合は、必要になった修理費や弁償費用
・会社から不当解雇された

和解の有無

刑事事件で訴えるのは検察官です。
検察官は事件の被害者ではないため、和解を求めても意味はありません。検察官から訴えられる前であれば、被害者との和解に成功したら不起訴処分になる可能性が生まれます。

不起訴とは、検察官が容疑者を訴えないと決定することです。
加害者になってしまった場合、被害者との和解交渉を弁護士に依頼した方が良いでしょう。

民事事件の当事者は揉めている個人や会社です。
裁判所は仲裁に入っているだけなので、当事者間の和解は問題ありません。

手続きや裁判の違い

刑事事件では犯罪行為の疑いがある個人や会社を警察が捜査し、必要があれば逮捕します。

警察が逮捕した個人や会社を検察庁に引き渡し、検察官は訴えるかどうか判断するために捜査を行います。警察と検察官は容疑者の身柄確保など人の行動制限ができるため、強制力のある捜査ができるでしょう。

また、検察官は事件を捜査した上で訴えるかを判断しますので、有罪判決が下るであろう事案しか訴えません。訴えられたら99%の確率で有罪になると言われるのも、検察官がちゃんと調べた上での結果といえるでしょう。

民事事件は個人や会社間で発生した揉め事で、どちらも人の行動制限や捜査権限はありません。しかし、裁判に欠席した場合は、相手の主張を全面的に認めたとみられる恐れがあります。

刑事事件と民事事件の裁判は同時に行える

同時に訴えられる

被害者が存在する犯罪に関しては、刑事事件と民事事件で同時に訴えられる可能性があります。

例えば器物損壊。
意図的に物を破壊した人がいた場合、刑事事件として訴えられた加害者が器物損壊罪の判決で罰金を支払ったとしても、被害者の損害賠償として支払われません。

罰金はあくまで国に納めるお金です。
物の所有者(被害者)が被った被害の回復にはつながりません。

刑事事件が解決したとしても、民事事件分の訴えが残っています
もしも被害者が民事事件として訴えを起こすと、加害者は破壊した物の購入代金や精神的苦痛に対する慰謝料などを請求される恐れがあります。

国による犯罪の裁きと、被害者からの損害賠償請求は別物と考えた方が良いです。

まとめ

まとめ刑事事件と民事事件の違いを解説しました。

刑事事件は国(検察官)が加害者の犯罪を裁き、民事事件は加害者と被害者の争いで考えると分かりやすいかもしれません。もしも誰かに訴えられて和解を希望している場合は、どちらの事件でも早い内に弁護士への相談をおすすめします。

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